これ、ちょっとしたアイドル史の転換点だと思った。
アイドル雑誌『BOMB』7月号(6月9日発売)の表紙が沢口愛華だったのだ。実はこれかなりの快挙なのである。
沢口愛華とは?
今年もお疲れ様でした〜
— 沢口愛華 (@delaaika0224) December 31, 2020
良いお年を〜
あ、これ結構前の写真、今見ると寒そうだね、 pic.twitter.com/X52FlklzQp
沢口は2018年、講談社が7年ぶりに開催した『ミスマガジン』でグランプリを獲得した。
当時まだ15歳。U-18の若さに加えて美少女ルックスと顔に似合わぬ豊満なバストとあって、候補の頃から「これは逸材。グラビアで絶対売れるな」と思う一方、徐々にネットのフェミニズムが強くなっていた時期でもある。ミスマガの選考が進んでいた2017年末にはAKB48グループも18歳以下の水着は禁止にしている。
「さすがに講談社もグランプリには選ばないだろう」
たかを括っていたら、そこは講談社。沢口は素材通り素直にグランプリに選ばれ、AKBの水着禁止令でポッカリ開いた高校生のグラビア枠に見事にハマり、あれよといううちに“令和のグラビア女王”とまで呼ばれるようになった。
6月だけでも5冊以上の雑誌の表紙を飾っている。
まだ17歳という年齢も考えれば、しばらくは沢口愛華時代が続くと考えていい。
なぜ快挙なのか?
ここまで振り返ると、沢口が雑誌の表紙を飾ること自体はないことがわかる。ただし『BOMB』となると話は別なのだ。
1980年と今から40年前に創刊した老舗アイドル雑誌の『BOMB』だが、近年の表紙の歴史を振り返るとこんな表になる。
赤は48グループ、青は46グループを指している。そう、2012年の武井咲からずっと『BOMB』では秋元康プロデュースのグループが表紙を独占していたのだ。
例えば『ヤングジャンプ』では2015年頃からAKB48の表紙起用が減っていき、2019年はNMB48の横野すみれだけ。46グループも3回で、石田桃香や山田南実など新たなグラビアクイーン発掘に力を入れている。他の雑誌も似たようなもので、むしろ2020年になっても48グループを表紙に起用する『BOMB』に古き良き義理堅さを感じる。
そんな『BOMB』の表紙をなんと8年ぶりに48、46から奪取したからこそ沢口愛華の表紙はちょっと驚いた。
もちろん来月号の『BOMB』では再び46グループが表紙を飾る可能性は十分ある。だとしても8年の均衡を破った沢口の表紙は快挙と言えるだろう。
48グループで最初に『BOMB』の表紙を飾ったのは2010年11月の前田敦子。それより前は井上和香、熊田曜子、秋山莉奈、原幹恵とグラビアアイドルたちが表紙を飾る時代があった。果たして沢口を中心としたグラドルの時代が『BOMB』に再び訪れるのか。アイドル好きは注目してほしい。